アクセス管理Kobo、Goodreads APIと訣別

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今朝報じられたAPIに関するニュースは、急成長するAPI 市場の性質を如実に表す興味深いものでした。その内容は、「電子書籍リーダを販売するKoboが、本好きのためのソーシャル・サイトGoodreadsが提供する書籍推奨/レビュのオープンAPI利用を停止することにした」というものでしたが、なぜKoboはGoodreadsのAPIを利用しないと決めたのでしょう?それは、数ヶ月前にGoodreadsを買収したのが、Kindle製品で電子書籍市場を牽引するAmazonだったからです。

ビジネス・パートナーシップが買収の影響を受けるのは目新しいことではありません。しかし、今回の展開は、ウェブAPIを取り巻く実情の一端が浮き彫りにされたという意味で重要なのです。

 

APIは変更可能 
Koboは、Amazonと熾烈に競合していたレビュー/推奨エンジンを開発した企業が提供するパブリックAPIを使用していたことがありましたが、Goodreadsの買収後は、最大の競合相手とビジネスをするという妙な立場に置かれてしまいました。ビジネスができなくなったわけではありませんでしたが、関係が大きく変化したことにより、Koboとしてはビジネス関係を解消せざるを得ませんでした。

 

APIには互恵関係が必要 
競合とビジネスをするという状況は、ほとんど大手企業では普通のことですし、競合がAmazonのように巨大な存在である場合は、それを避けて通るのはほぼ不可能です。KoboのようなパブリックAPI利用者は、フリーAPIを使っても特に得るものがないという状況に陥りがちですが、長期的にビジネス関係を維持するためには、双方がメリットを享受できることが重要です。Koboにとってのメリットは、「良質の書籍推奨/レビューのインターフェースを読者に提供することが、より豊かなユーザ体験と販売増加につながる」という明快なものでした。

では、Goodreadsにとってのメリットは何だったのでしょうか?Goodreadsサイトにあるサービス約定によれば、APIの利用者はGoodreadsのブランドとリンクを表示することになっており、市場性とブランディングが重要な要素となっているようです。Koboは、APIを商業目的で使用するうえでGoodreadsサイトと特別な取決めをしたのかもしれませんが、その内容がAmazonにとって競合を支援するに十分なメリットを提供するものだった可能性は低いでしょう。AmazonがGoodreadsとデータを手に入れてしてしまうと、メリットのバランスは崩れ、Koboが得るものの方が大きくなってしまったのです。

 

APIプロバイダが顧客を失う可能性も 
私が一番面白いと思ったのは、Amazonに言われる前にKoboのほうからGoodreads の利用を停止したことでした。私が知る限り、条件は大きく変わってはおらず、データも引き続き使用することができますし、Amazonは Koboに対してAPIをオープンにしておく 予定だと言っていました。にもかかわらず、Koboは利用を止めることにしたのです。最大の競合の庇護を受けるより、今のうちに機能面の対応をした方が良いと考えたのかもしれません。APIプロバイダにとっては、利用者が今後も同じAPIを使い続けるとは限らないことを再認識する機会となりました。また、今後は、利用者満足が利用者獲得と同等の重要性を持つと気付かされるのかもしれません。

 

API利用者は最悪の事態に備えるべき
AmazonがGoodreadsを買収した後、危惧を感じたユーザの一部が代替サイトを探しました。こうした読書サイトの中にはAPIを提供するところもありますが、Koboは独自にデータを収集することにし、最近になってソーシャル読書サービス分野に参入すると発表しました。成功するか否かは別として、この戦略的な動きを見ると、企業がデータとビジネスの中断について対策を講じておく必要があることが分かります。つまり、ビジネスを支えるAPIが一時的にしろ消えてしまうことの影響を考えておくということです。弁護士がよく言うように、結婚前に離婚に備えておくのは常識というわけです。

今回のAPI利用停止は、この話に登場する一企業の転機を意味するのかもしれませんが、私はその点に注目しているのではありません。私達が依存するようになっているAPIに対して、市場の力が強く作用することがはっきりと分かったのです。ウェブAPIといえば技術/デザイン面に焦点を当てがちですが、それがダイナミックな市場に存在し、プロバイダと消費者の両方が変化に注意深く対応しなければならないということを忘れてはなりません。

 

 


原文:http://www.layer7tech.com/blogs/index.php/kobo-says-goodbye-to-the-goodreads-api/

 

Ronnie Mitraについて

Ronnie Mitraは、ヨーロッパ全土でLayer 7のAPIアーキテクチャおよびデザイン・プラクティスを指揮するエンタープライズ開発/統合の専門家で、大きく広がるAPIの可能性を活用できるよう様々な企業を支援しています。Layer 7に入社する前はIBMに勤務し、WebSphere接続製品に関する活動をグローバルに指揮していました。
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ronnie | Permalink | Trackback (0)

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